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一般的な研ぎ方




写真0-1
オレンジ色の砥石が中央に見える
砥石の向こう側下にはさんであるのが割り箸です
研ぐ前に(写真0-1参照)

・#1000セラミック砥石を10分程水にひたします
・研ぐ場所を選びます
研ぐ場所は、水道の蛇口の下が便利です(研ぎながら水をかけ続けることができるため)
そうでない場合には、手元に水を準備し、研ぎの作業中にときどき水をかけるようにしましょう(「砥石が乾くのを防ぐ」ためではなく、包丁の刃の冷却のために水が必要となります。できるだけ頻繁に水をかけてください。常に水を流し続けながら作業をおこなえれば理想的です)
・砥石の下にぬれ雑巾などを敷き、砥石がすべらないようにします
砥石を設置するときに、砥石の向こう側の下に割り箸などを置き、砥石が手前にくるにしたがって低くなるようにすると、水が包丁の刃全体に行き渡りやすくなり好都合です。


写真1-0
真横から見た刃角度。べったりとくっつけるような感じで研ぎます

裏面研ぎ

包丁を研ぐ作業に取りかかります。まずは裏面(「刃造り一番 料達」と刻印が入っていない方が裏面です)からはじめましょう。
裏面を砥石にあてて研ぐのですが、包丁の刃を砥石にあてがう角度(刃角度)は左の写真1-0を参考にしてください。
砥石と包丁を、ほとんどべったりとくっつけている様子が見えますでしょうか?

この作業工程のポイントは以下の二つです。
・裏面のサビをきれいに取る
・研ぐときには、切刃部(左図参照)全体を砥石に密着させるようなつもりで作業してください。(重要! )


写真1-1
真上から見ると、砥石に対して包丁を十字(90度)において作業しているのがわかる

刃角度が決まったら、砥石と包丁が十字をえがくように構えます。(写真1-1参照)
最初にアゴ(包丁の刃の、一番握り手に近い部分)のサビを取りましょう。


写真1-2
真上から見ると、砥石に対して包丁を十字(90度)において作業しているのがわかる
このときハンドル(手で握る部分)が砥石とぶつかって、研ぐ作業がうまくできないことがあります。
そんなときは包丁を砥石の向きに沿ってまっすぐ前後に動かす(写真1-2参照)ように意識して作業すると、うまくサビが落とせます。
ここまででサビの大部分を取ってしまいます。


写真1-3
真上から見ると、砥石に対して包丁をななめ(トの字)において作業することになります

サビのほとんどがきれいに取れましたか?
取れたら、次は包丁の構えかたを変えます。ここまでの作業では砥石と包丁を「十」の字のように交じわらせていたのに対して、この段階では「ト」の字のようにななめに交わらせるようにします。(左の写真1-3参照)
これは、少ない手数で刃全体を研ぐための構えかたです。手数を減らすことで、刃全体に均一な研ぎ上げをほどこしやすくなります。
刃角度を先ほどまでと同じにたもちながら、 残っているサビをすべて取ってしまいましょう。
包丁の構えかたを変えましたが、包丁を動かす方向は変わりません。まっすぐ前後に動かしましょう。


写真2-0
裏面研ぎのときとくらべて、修正研ぎは大きな刃角度をたもっての作業となります

修正研ぎ

裏面のサビを落とし終わったら、今度は包丁の表裏をひっくりかえしての作業となります。
裏面研ぎの工程では、包丁を構えると、刃先が向こう側を向いていましたね。面をひっくりかえしての作業ですから、今度は刃先が手前側を向くことになります。
刃角度の基本は30度以内。左の写真2-0のようにします。
刃こぼれがひどい場合は、下にあるように違う刃角度で作業をすることもあります。


写真2-1
刃を砥石に大きくたてて(刃角度を大きく取って)作業する場合の見本です
刃こぼれがひどいときのみ、この刃角度で作業することになります

この工程では、刃先に生じた「刃こぼれ」を落とすのが目的になります。刃こぼれは目に見える大きなものもありますが、多くは目に見えない小さな刃こぼれです。目に見えない刃こぼれを治そうというのですから、ていねいな仕事を心掛けることが大切です。
大きな刃こぼれがある場合のみ、この作業での基本刃角度「30度以内」を超えて、左の写真2-1のような45度の刃角度で作業します。

作業対象となるのは「小刃」です。
小刃の場所を左の図で確認しておきましょう。


写真2-2
真上から見ると、砥石に対して包丁をななめにおいていることがわかる

また、刃先が手前を向いての作業となる

裏面研ぎの最終過程のときのように、砥石と包丁の交わりかたをななめにして構えます。(左写真2-2参照)
刃角度を30度以内にたもちながら、まっすぐ前後に包丁を動かして研ぎます。
刃こぼれが大きいときのみ、刃角度を45度前後にまで立てて刃こぼれを研ぎ落とします。大きな刃こぼれを研ぎ落とせたら、その後、刃角度を30度以内に戻して研ぎます。
刃こぼれを修正すると、1mm弱の小刃(こば:刃の最先端のとんがり▲のこと)が刃全体にできあがります。この小刃がついたことを確認できたら、修正研ぎの完了です。
次の工程にすすみましょう。


写真3-1
真横から見た刃角度。べったりとくっつけるような感じで研ぎます

表面研ぎ

刃こぼれをすべて研ぎ落とし、きれいな小刃がついたら、今度は「表面研ぎ」の工程に入ります。
研ぎをほどこすのは、前工程と同じく表面に対して、ということになります。(表面=「刃造り一番 料達」の刻印がある面を指します)
ここでは、表面についているサビを落とすのが目的となります。このサビ落としをていねいにすることで、自然と刃の先端になめらかな形状が生まれることになります。(この「なめらかな形状」を意識的につくり出そうとして作業すると、ほとんどの場合失敗してしまいます。あくまで「ていねいにサビを落とす」ことに集中してください)

作業対象は「切刃部」です。左の図で確認しておきましょう。


写真3-2
真上から見ると、砥石に対して包丁をななめにおいていることがわかる

また、刃先が手前を向いての作業となる

左の写真3-1のように、ここでもまた砥石と包丁の交わりかたをななめにして構えます。
作業中は、終止一貫して、同じ刃角度、同じ研ぎ速度、同じ(包丁を動かす)方向を維持するように心掛けてください。
この工程中で、ハンドルが邪魔になることはほとんどないと思います。包丁に意識を集中して、ていねいな仕事をほどこしましょう。
包丁の研ぎを何度かこなして熟練してきたら、表面の研ぎ傷(刃先から少し上にぼんやりと出てくる、金属表面の曇りを指す)に注目するようにしましょう。これが、裏面に出ている研ぎ傷にくらべて少しだけ幅がせまくなるような感じで研げれば、より良い作業結果を得ることができます。

表面のサビをすべて研ぎ落とし、その後に、包丁の刃全体に渡って「表面をならすような」研ぎの作業をくり返したら、いよいよ「刃線造り」の工程です。
(刃線=左の図を参照)
刃角度を45度前後にして構え、包丁の重みだけで、5〜6回砥石を往復させます。(手は包丁に添えるだけ。決して包丁を砥石に押し付けるような力を加えてはいけません。刃で砥石をやさしくやさしく撫でるような感触です)



写真3-3
表面の刃先の少し上の部分に、全体に均一な研ぎ傷がつく

ここまでの工程を経た包丁は、左の写真3-3のようになります。



写真4-1
新聞紙の折り畳みかたはこんな感じです
きつく、幾重にも折り畳んでください

試し切り・刃返り取り(バリ取り)

この工程では、研ぎをほどこした包丁の切れ味を確認します。また、「出来を確認しながら、同時に仕上げ処理が出来てしまう」という便利な確認方法をご紹介いたします。

折り重ねた新聞を使って試し切りををおこないます。左の写真4-1のように、新聞紙を折り畳んだものを用意してください。



写真4-2
刃全体を使うようにします

刃元(包丁を握った手に一番近い部分)から刃先(包丁を握った手から一番遠いところ。包丁の先端を指す)へと、包丁の刃全体を使って、手前側に引くように切ります。
包丁がなめらかに、すべるように動いていきますか?
研ぎの工程がうまく出来ていれば、包丁は新聞紙にひっかかったりせず、ゆっくりと新聞紙に切れ込んでいきます。
新聞紙の切る場所を変えながら、10回前後の試し切りをおこないます。
きっちりと折り畳んだ新聞紙を使って試し切りをくり返すことで、刃返り(バリ)は自然に落ちていきます これで一般的な包丁の研ぎ作業は完了です。
おつかれさまでした!


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